人間の心理とアート
世界には有形無形のアート(Art)が存在しています。
絵画、音楽、彫刻、建築、小説、詩、映画、ダンス、漫画、アニメ、ハンドメイド作品・・・1つ1つ挙げていくと、きりがありません。
アートを目の前にしたとき、人間は感動を覚えます。それは、喜怒哀楽の感情かもしれないし、「好き」という気持ち、あるいは「嫌い」という気持ちかもしれません。郷愁の気持ちや、過去の感情を呼び起こさせるものであるかもしれません。
いずれにせよ、アートには心を動かす力があります。
アートは表現
私たちの前に多様なかたちで姿をあらわすアートを、ここでひとまず定義しておきます。
アートとは、人間によって創造された表現物です。
アート作品には、作り手の意図、感性、感情、性格(パーソナリティ)、人生の歴史などといった、きわめてパーソナルなものが込められていると考えられます。言い換えれば、その人自身の内面(あるいは身体の技能)の一部が表現されているものなのです。
このことから、アート作品を臨床心理の実践で取り扱う意義があると考えられます。
臨床心理の中のアート(描画)
臨床心理実践の中で、私は描画を取り扱うことが多くありました。
有名な心理検査にバウムテストという木を描くテストがあります。
私は、木の絵だけでなく、家、木、人物をセットで描いてもらうHTPPという手法をよく用いていました。
こういった描画テストは全てパーソナリティテスト(人格検査)に分類されます。
平たくいえば、描いてもらった絵から、その人の人となりを理解する心理テストが古くから存在しているのです。そして、日本国内外の病院などで長く実施されてきています。
絵からその人を理解するなんて、不思議に思いませんか?
臨床心理にもっとアートを
私は臨床心理実践であつかうアートの範囲を拡大し、その人にあった手法でアート作品を作り出せるようにサポートしていきたいと考えています。
内面をこめた表現物を作り出すこと自体にカタルシス効果(心がスッキリする効果)があります。それだけでなく、自己コントロール力を高め、ストレスマネジメントの力をつけることにもつながります。
「遊び」だけでなく、「アート」にも、心を健やかに導く力があるのです。
